4月になり多くの新社会人が実社会へと羽ばたいたことでしょう。
新年と4月には何かしら新たにスタートする気持ちになる季節ですね。
このたびはアイコン・プラスのブログにようこそおいでくださいました。
私は代表の村田小百合と申します。これから、医療機関で働くみなさまに職場生活で活用
できるさまざまな情報提供をお送りさせていただきます。
実は2年前となる2014年にある製薬メーカー様がお客様に向けてWebサービスを開始する
にあたり、原稿の執筆依頼を受けました。
1年目には「従来の医療サービスを変えるスタッフ力」という大テーマのもとに、毎月そのテーマに沿った
原稿を書き綴って参りました。(2014.9月から2015年8月まで)。
そして、2年目(2015.9月より)「一人ひとりのスタッフの自己変革を支える職場づくり」という大テーマのもと、
現在も毎月1本の原稿を書いております。ということで、私が書き綴った原稿は21本以上となったのですが、
そこで製薬メーカー様から弊社ブログでもこの原稿に書いた情報を公開することにご了承をいただけました
ので、最新の情報に手直しを加えながらこれからお送りして参りたいと思います。
初回となる今回のテーマは「挨拶からはじまる患者満足」ですが、どうしてわたくしがWebを通じての
情報発信依頼を受けるようになったのかという理由や、わたくし自身をよく知っていただきたいので、
折に触れて簡単な自己紹介をさせていただきますので、よろしくお付き合いくださいませ。
わたくしは大学を卒業後、経営コンサルタント会社に就職しましたが、
10年近く勤めたあと、どうしてもアメリカで経営学を学びたいと思い
ボストン(マサチューセッツ州、USA)に留学しました。そして、
大学院に通うかたわら、病気になった日本人在住者のために医療通訳の
ボランティアをしておりました。
当時のアメリカではすでに「患者さんに選ばれた病院」のみが生き残り、
各病院ではそれぞれの医療技術の高さを競いながらも、それにプラスアルファ
の付加価値を模索しているような印象がありました。
通訳をしながら、アメリカの医療スタッフの行動観察をしていく中で、
「あんな風に患者さんに対応すると、患者さんは安心できるよね!」
「なんでこんなに患者さんの同意(YES)を取り付けるのがうまいのかしら?」
「患者さん自ら治りたいという自主性を引き出す
極意は何かしら」と感心するような言葉や行動をどの職種のスタッフも
していることに気がつきました。
人間ウォッチを続けるうちに、どうしても「なぜ、そのような行動をしている
のか?」「それはどのようにして身につけたのか?」ということ知りたくて
リサーチしていきました。
そのように知り得たノウハウをまとめあげ、色々な業種・職種に応用できるように
開発しながら現在に至り、各企業の社員研修などで情報提供をしているわけです。
海外にいると、それまで気がつかなかった日本の良い点にも気がつき始めます。
それとはなく気遣う「おもてなし」の行動などです。日本人が相手に敬意の心を表す
為に使い分けている「敬語」の素晴らしさもその1つです。
そして、アルファベットでは表すことのできない象形文字から発生した「漢字」に
込められた意味深さもその1つにあげられます。挨拶という漢字の「挨」という字は
「押す」や「ひらく」という意味を持ち、「拶」という字は「せまる」を意味します。
つまり、「患者さんに挨拶をする」ということは、自分から先に切り出すことが
「挨拶した」ことになるのです。これによって患者さんは、自分の存在を認めてくれた
んだということに気がつかれます。人は誰しも「自分の存在」を認めて貰いたいものですよね。
そしてここでぶっきらぼうに挨拶言葉である「おはようございます」や
「こんにちは」といわれても嬉しくはありません。
この挨拶に込められた気持ちを相手は即座に察知するからです。
この無意識ながら人が期待する満足を満たしていくことが「患者満足度」につながっていきますので、
この人間の心理については回を追ってお伝えしたいと思います。
相手に、気持ちのよい挨拶と感じてもらうために大切な感情とはいったいどのよう
なものがあるでしょうか?例えば「おはようございます」には、どこか不調があって
来院されたのですね(=疾患があれば辛くて、大変ですよね)という「共感」の感情
があり、他にもある数多くある病院の中で、当院を選んでくださりありがとうござ
います(=ようこそ)という感謝の気持ちなどもあることでしょう。
しかも、この気持ちを相手が感じてもらうようにすることが大切ですが、
実のところ本当にあなたにこの感情がなければ、相手に「この人は口だけだわ~」
と見抜かれてしまいます。そこで、「感情や気持ちを持て」といわれても
「すぐにそんな気持ち持てないし、思うことなんてできないよ」という方も
いらっしゃるかもしれません。
そんな方には、まず、相手に気づいてもらえる行動のエッセンスをお伝えしますので試してみてください。
① 挨拶するときは、笑顔で相手の目を見る。
⇒相手は、私の存在に気がつき、受け入れられ、
さらに私だけに挨拶してくれたと感じます。
② 相手に聞こえる、明るい声で発声する。
⇒明るく聞こえるためには、いつもよりも少し高めの声を意識します。
これによってこの病院全体の活気と、職員(スタッフ)の快活さが感じてもらえます。
この2つの行動を毎日、習慣にしていると、その行動に触れた患者さんの意識に中には「自分を大切にして
くれる病院」という感情で満たされ、ある日「あなたの笑顔を見ると気持ちがいい」「この病院の職員の会うと
ホットする」という言葉を聞かせてくれるかもしれません。そこから、あなたの中に共感や感謝という感情が
芽生え始めてきても、それはそれでいいのです。
「あいさつ」の「あ」は『明るく』
「あいさつ」の「い」は、『いつも』
「あいさつ」の「さ」は、『先にわたしから』
「あいさつ」の「つ」は、『つづけます。』(たとえ返してくれなくても...)を
意識してはじめてみてはいかがでしょう。
「ディズニーランドのCS(顧客満足)」を
はじめ「ザ・リッツカールトンのホスピタリティ」を目指して
研修などを実施してこられた医療機関はここ数十年
かなりの数があるのではないでしょうか。
私もそのようにご希望される医療業界のお手伝いをさせていただくことが多くあります。
そこには接遇という形に見えるテクニックだけの習得を目指すのではなく、
自分の仕事・職業に対する誇り、同じ職場で働く者同士の相互尊重と協力を通じてこそ、
真の顧客志向が組織全体で実現していけるという成功事例であり、
研修や教育の本当の目的ではないかと考えています。
次回は「笑顔の効用」ということで、「笑顔」についてお送りします。
16.04.05(火)村田 小百合 カテゴリ:スタッフブログ