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良書紹介(7-②)~嫌われる勇気~自己啓発の源流「アドラー」の教え~

秋も深まり、11月となりました。今となればとても暑かった

③もみじ山.jpg

平成最後の夏も懐かしくさえあります。今年もあと2ヶ月。

2018年のやり残しがないように今から過ごし方を考えておくのもいいですね。

先月は哲人と青年で交わされた「第1夜と第2夜」をお送りしました。

今月は、「第3夜から第5夜」をご紹介しますので、お付き合いくださいね。

本の全体像(概略)

【第3夜】「他者の期待を満たすために生きてはいけない」

そして「他者からの承認をもとめること」を否定します。⑰親の期待にこたえるな.jpg

「他人」の期待を満たすことは、それは「他人」の人生を

生きることに等しいというのです。逆もまた真なりで、

「人には期待をせず、承認を与えること」もしてはいけないと

言い放ちます。具体的には、他者の課題には介入せずに、

自分の課題には誰一人介入させるなと断言します。

この一見、他者を突き放すような考え方こそが、対人関係の悩みを一変させる可能性を

秘めたアドラー心理学ならではの画期的な視点と言えるでしょう。

青年は課題の分離は役に立つだろうが、そこには一滴の血も通わないではないかと

反論します。しかし、自分の生き方を貫くこと、つまり自由とはこの本のタイトルにも

なっている「嫌われる勇気」を持ちえた時、対人関係は一気に軽いものへと変わる

のだと諭されます。

【第4夜】「対人関係のゴールとは共同体感覚」を持つこと。

⑱共同体.jpgこの「共同体感覚」とは、他者を仲間だと見なし、

そこに「自分の居場所がある」と感じられることだと語ります。

これこそが、幸福なる対人関係のあり方であり、

私たちが目指すべき最も重要な指標(ゴール)だという言います。

アドラーは他者への介入、他者を評価する言葉、

それによって劣等感を生み出してしまう「縦の関係」を否定し、すべての対人関係を

「横の関係」とすることを重要視しています。

人は、自分が誰かの役に立っていると思えた時にだけ、自らの価値を実感できるのだと。

意識の上で対等であること、そして主張すべきは堂々と主張することが

大切だと語っている。

【第5夜】幸福とは「他者に貢献する」こと

私たちのゴールである「共同体感覚」を持つために必要なことは

「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の3つであると言います。

つまり、自分自身をありのままに受け入れ、他者を信じるにあたって、

いっさいの条件をつけない、誰かの役に立てているという主観的な感覚が

あればいいのだと。

アドラーが説く幸福とは「他者に貢献するのだ」という気持ちを持つこと。

この「貢献感」という導きの星さえ見失わなければ、迷うことはないし、

なにをしてもいい。

過去にどんなことがあったなど、未来がどうであるなど、

今ここで考える問題ではない。人生とは、いまこの瞬間をくるくると

ダンスするように生きる、連続する刹那なのだと語っています。

  医療プロフェッショナルとして役立ててもらいたいポイント

⑲花矢印.jpg第4夜に哲人はこのように語っています。

「誰かが始めなければならない。

他の人が協力的でないとしても、それはあなたに関係ない。

あなたが始めるべきだ。

他の人が協力的であるかどうかなど考えることもなく」と。

組織の中では、和や協調性を重視するあまり、自分の考えや行動を制限することが

あります。それは組織が停滞し発展しない可能性を含んでいます。

医療サービスを提供しているプロフェッショナルは、日々の業務自体が、

患者様への貢献を果たしていることになります。

しかし、現代の患者様の満足を満たしていくには業務の改善などが必要に

なってくることがあるでしょう。

患者様、スタッフ間、クリニックに貢献できると思う事があったなら、

勇気をもって行動に移していってもらいたいと思います。

この本を通して、「私は患者様に貢献できている。私はクリニックにとって

役に立っている」と1つひとつの業務を行う瞬間を大切にし、

他者への貢献を通じて、自分の価値を実感していくことがアドラーの教えの実践です。

本書が皆様の今後の仕事に役立てていかれる1つの道しるべとになることを願っています。

著者について

岸見一郎氏

1956年京都生まれ、哲学者。京都在住。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。

専門の哲学(西洋古代哲学・特にプラトン哲学)と並行して1989年からアドラー心理学

を研究。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。訳書にアルフレッド・アドラー

の「個人心理学講義」「人はなぜ神経症になるのか」。

著書に「アドラー心理学入門」など多数。本書では原案を担当。

日本におけるアドラー心理学の第一人者と言われる。

古賀史健氏

1973年生まれ、フリーランスライター。

臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターである。

インタビュー集「16歳の教科書」シリーズは累計70万部を突破。

20代の終わりにアドラー心理学と出会い、常識を覆すその思想に衝撃を受ける。

何年にもわたり、京都の岸見一郎氏を訪ね、アドラー心理学の本質について聞きだし、

本書ではギリシャ哲学の古典的手法である「対話篇」へと落とし込んだ。

今月は少し長文となり、最後まで読んでいただきありがとうございました。

以上、~嫌われる勇気~自己啓発の源流「アドラー」の教え~でした。

①アドラープロフィール.jpgのサムネイル画像

アドラーの写真引用:

https://www.google.co.jp/imgres?imgurl=http://donhenley.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_459/donhenley/DP721115B15D.jpg&imgrefurl=http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27&h=703&w=534&tbnid=7Kdei8FYrKve3M:&tbnh=153&tbnw=115&usg=__Az1cHkIOPkOMY4s0nKCSLWY_9Pg=&vet=10ahUKEwiZponTv-XWAhUFnJQKHcq3BFMQ_B0IqQEwCg..i&docid=RmAM8bEx-ooAKM&itg=1&sa=X&ved=0ahUKEwiZponTv-XWAhUFnJQKHcq3BFMQ_B0

 

18.11.01(木)村田 小百合 カテゴリ:スタッフブログ

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