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良書紹介(8)「幸せになる勇気」~自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ~

①2018 Dog year.png2018年も残すところ、あと1ヶ月をきりました。

振り返ってみますと、スポーツ界では平昌オリンピックでメダルラッシュに

沸き立ち、一方、ラグビー、ボクシング、相撲などでは残念な不祥事に揺れました。

今年の漢字には「災」が選ばれ、予期せぬ自然災害に今まだ、避難生活を余儀なく

されていらっしゃる方々には心よりお見舞い申し上げます。

この本を推薦する理由

平成最後の12月を締めくくる書籍は、アドラーブームを巻き起こした①幸せになる勇気 表紙.jpgのサムネイル画像

『嫌われる勇気』に引き続き、完結編となる「幸せになる勇気」をお送りします。

前作『嫌われる勇気』で、哲人からアドラーの教えを説かれ、新たな生き方を

決意した青年が、3年ぶりに哲人のもとを訪れるところから始まります。

そうです。あれから3年...。悩み多き青年(私たち読者の代弁者)は

アドラーの教えを実践しようと図書館司書を辞めて、教師になっていました。

③先生.jpgその彼が「アドラーを捨てるべきか否か」という衝撃の告白

をします。

そこには、アドラー心理学とは教育現場や現実の社会では

実践しにくい机上の空論ではないのか!と苦悩してきた彼がいました。

実際のところ、この気持ち「よくわかるわ~」と私も共感するところがありました。

「嫌われる勇気」で説かれているアドラー心理学では、➄階段 花.jpg

「ほめてはいけない」という教えがありました。

いまなお(ちまた)には「()めて伸ばす」などの書籍などが溢れかえっており、

アドラーは新しい視点としてインパクトを感じたのですが、

実際のところ「そうかな~子供は褒めて伸ばしたほうが良い場合があるんじゃないの」と

心の中では反論を感じるところがありました。

この「幸せになる勇気」では哲人の究極の教えとして、誰もが幸せに生きるために為すべき

「人生最大の選択」についても語られます。

この「人生最大の選択って一体何なの?」とご興味をもたれた方は、青年とともに、

この本を通じてさらなるアドラー心理学への理解の階段を登って行きましょう。

本の全体像(概略)

⑥グリーンリーフ.jpg「アドラーを捨てるべきか否か」と問う青年に、

「あなたはアドラーを誤解している」と

今回も哲学問答形式で哲人は(さと)していきます。

哲人と青年の対話は、教育に始まり、仕事、組織、社会生活、

そして人生論へと及んでいきます。

そして、対話が進み深まっていくと、そこから見えてくるものがありました。

それは「真の自立」と「愛」。

人が生きていく上で誰もが担う命題のようなものに行き着くのです。

第1部では青年が教職に就いていることもあるのでしょう...④thumb up&down.jpg

教育の真の目的について語られます。

教育とは「自立」に向けた「援助」をすること。

誰が上とか下とかの概念はそもそも存在せず、全ての人が先生であり、

生徒なのです。そして教育とは相手を「尊敬」することから始まります。

アドラーは「尊敬」とは、「人間の姿をありのままに見て、

その人が唯一無二の存在であることを知る能力のこと」。

そして「その人が、その人らしく成長発展していけるよう、気づかうことである」と

定義づけています。

相手が興味を持っていることに、自分も関心を示すことこそが尊敬への具体的な一歩です。

まずこちらから相手を尊敬する。

そうすると、相手もあなたが自分を理解してくれていることがわかり、

徐々にあなたを尊敬するようになります。

➄-2 階段5ステップ.jpg第2部では人が問題行動を起こすにはちゃんと「目的」があり、

5つの段階があると言います。

まず、(1)称賛(褒めてほしい)のに、満たされない時、

(2)注目を得たいのに注目されない時、

(3)権力を得たいのに得れないとき

(4)相手に復讐したいと怒りを覚えた時、

そして最後には(5)どうせ自分はダメだからと無能を証明する時。

この5つの段階を踏んで人は問題行動を起こしてしまいます。

これを段階を理解せずに人は「怒り」という感情を使用し、⑧2人でスクエア腕組.jpg

相手をコントロールしようとすることがあります。

しかし、「怒り」によって相手からの尊敬も、理解も、

ましてや認められることは決してありません。

一時的に屈服しても、そこには、「愛」も「尊敬」もありません。

どのような問題を起こしても、怒るのではなく、たとえこちらが間違っていると思われる

事実でも、相手の決断を尊重し、援助するのです。

そして「自分の人生は、自分で選ぶことができる」という事実を学んでいくよう

促していくことが大切だと説いています。

これは、親子関係であれば、親が愛情をもって(親が願う)正しい道に進めたい、

失敗すると分かっている場合にも、「失敗してもいい!この子が選んだ道であり、

その失敗さえ学びの糧になるのだ!」と怒りよりも、

子供の選択に絶対的な信頼をもつ勇気を言われている気がします。

 ⑦頭から握手.jpg第3部では誰かと競争することは意味がない。

誰かと競争した時点で、勝ち負けという結果にとらわれ始める。

勝ち負けというのはそもそも存在しないのです。

他者と違うことに誇りを持つのではなく、

この世に2つとして存在しない「私」という存在に価値を置く。

未来永劫同じ存在が現れることのない「わたしであること」への勇気を持つことが

重要だというのです。

人間の価値とは何をしているのかではなく、物事にどういう態度で取り組んでいるのかで決まる。

求められている以上のことをする人間は、社会を変革させることができる力があると語ります。

競争原理から協力原理という教えは、知らず知らずに競争意識に身を置いていた

私たちの心の緊張を解いてくれます。

⑩羽を咥え飛ぶ鳥.jpg第4部では前作にも語られていた

「すべての悩みは,対人関係の悩みである」という言葉を前提に、

「すべての喜びもまた、対人関係の喜びである」と述べています。

相手の言っていることを無条件で信じる。

そうすれば、相手もあなたを信じてくれます。

「与えよ、さらば与えられん」という言葉があるように、まずは、自分が与えられようと

思うのではなく、周りの人間に提供することをする。

人は自分を豊かにしてくれる人のことを信頼し、集まるということです。

過去に信頼していたのに裏切られたり、傷つけられた経験をもたない人は少ないでしょう。

それゆえ裏切られるという痛みを二度と味わいたくないため、

絶対的信頼を人に置けなくなっているという心の

ブレーキを緩める勇気を持たなければならいと言われている感じがしました。

最終章である第5部では「愛する人生を選べ」。⑨愛の2羽の小鳥.jpg

愛とは、空から落ちてきたり、地中から湧き出てくるものではなく、

意思の力によってパートナーと2人で、築き上げていくものです。

愛とは二人で成し遂げる課題であり、アドラーが一貫して

説き続けたのは能動的な愛の技術、すなわち「他者を愛する技術」だったのです。

他者を「愛する」ことで自立ができ、大人になることができる。

運命とは、自分で作り上げるものです。未来が見えないからこそ、

運命の主人になれるのです。ほんとうに試されるのは、歩み続けることの勇気なのだと。

人生とは決断の積み重ねです。今まで決断してきたことの積み重ねがあなたなのです。

「世界はシンプルであり、人生もまた同じである」

「しかし、シンプルであり続けることは困難であり、そこでは日々が試練となる」と結んでいます。

医療プロフェッショナルとして役立ててもらいたいポイント

 ⑪歩く女性シルエット.jpg人間の価値は「どんな仕事に従事するか」によってきまるのではない。

その仕事に「どのような態度で取り組むか」によって決まると

アドラーは言います。

医療スタッフのお仕事とは社会性が高く、

地域の方々に貢献しているのは事実です。

そして、病医院内のすべての仕事は「共同体の誰かがやらねばななこと」であり、

私たちはそれを分担しているだけなのです。

そこに優劣はなく、あるとしたら、仕事に取り組む態度だけだと説いています。

人間関係においては、高い専門能力だけで判断されるものではなく、

むしろ「この人と一緒に働きたいか」「この人が困った時、助けたいか❓」が

大切になってくるわけです。

そして、そこには私が「患者様を尊敬しているか」「他のスタッフを信頼しているか」

という事が重要なのです。

私たち一人ひとりの決心ひとつで、どんな相手であっても、尊敬を寄せ、信じることはできる。

そのことを念頭において、これからも患者様、スタッフに対して自ら能動的に接して欲しいと思います。

以上、2018(平成30)年12月、アドラーの「幸せになる勇気」でございました。

今年一年、私のブログをお読みいただき、誠にありがとうございました。

著者について

著者:岸見一郎氏 

1956年京都生まれ、哲学者。京都在住。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。

専門の哲学(西洋古代哲学・特にプラトン哲学)と並行して1989年からアドラー心理学を研究。

日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。訳書にアルフレッド・アドラーの「個人心理学講義」

「人はなぜ神経症になるのか」。著書に「アドラー心理学入門」など多数。本書では原案を担当。

日本におけるアドラー心理学の第一人者と言われる。

古賀史健氏

1973年生まれ、フリーランスライター。臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターである。

インタビュー集「16歳の教科書」シリーズは累計70万部を突破。

20代の終わりにアドラー心理学と出会い、常識を覆すその思想に衝撃を受ける。

何年にもわたり、京都の岸見一郎氏を訪ね、アドラー心理学の本質について聞きだし、

本書ではギリシャ哲学の古典的手法である「対話篇」へと落とし込んだ。

⑧2019年.jpgのサムネイル画像

新しき年もみなさまにとって健康で、

ますます輝く年になりますようお祈りしております。

どうぞ2019年、(いのしし)年もよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

18.12.03(月)村田 小百合 カテゴリ:スタッフブログ

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